就活を経験することは、必ず“あなた自身”を成長させてくれます。
経験する全てのことや考える全てのことが社会人になるための栄養源になります。
悩むことも多いかもしれません。
でも、真剣に取り組めば、必ず未来を切り拓けます。
知ること・経験することを楽しみましょう!

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〈1〉忘れないでほしいこと

この章では、就活に取り組む上で忘れないようにしていただきたい点について考えていきます。

まず、就活にのぞむにあたり最も大切な点をお伝えしておきます。
それは、

〈Point〉
就活は“優れている”とか“劣っている”とかを評価するところではない

ということです。

確かに採用試験を受けてもなかなか採用(内定)をもらえない方がいるのも事実です。
しかしながらそれは、決してみなさんの人格が否定されているわけではありません。
志望動機の書き方の中でも触れましたが、みなさんの目標・価値観と志望先のビジョンや目標、価値観などが違っていたことが最も大きな理由です。
この点は決して忘れないでいただきたいと思います。
内定を数多くもらっても入社・入職できるのは1つの職場だけです。
自分が本当に働きたいと思う1つの職場から採用(内定)がもらえればみなさんの就活は成功したといえます。

次に「就活は“タイミング”に影響を受けることが多い」ということです。

この業界は、大手の治療院グループも含めて、比較的、通年採用をしているところが多くなっています。
これは一般企業の新卒採用とは大きく異なる点です(もちろん一般企業の中でも通年採用しているところはあります)。
そのため、自分が働きたいと思った治療院や医療機関が採用活動を行っていない場合もあります。
そうした場合でも、1カ所に固執せず、自分の視野を広げ、志望先をみつける努力をしていただきたいと思います。
思ってもいないタイミングで新しい出会いがあることも確かなのですから。

また、もし志望先の職場見学や面接を通じて、自分が求めているののとは「何か違う」と思ったら、その直感は正しい場合が多いので、“辞退”するという勇気も持っておいてください。

100%、希望に合致している就職先を見つけることは難しいことは確かです。
しかし、みなさんが思っている以上に全国には素晴らしい取り組みをしている治療院や医療機関はたくさんあります。そうした治療院や医療機関をみつけることも可能です。
ですので、もし職場見学や面接を通じて、自分の働いているイメージがわかないようであれば、もう一度、冷静にその志望先を見つめ直す時間を持つようにしてください。

そして、覚えておいてほしいことの最後として、「就活には真剣に取り組むこと」をお伝えしたいと思います。

就活は、恐らくみなさんがこれまで経験したことがないぐらい多くの人と出会うきっかけになってくれます。
さまざまな治療院の院長先生や、医療機関で働いている方など普段は決して会えないような方とも“あなた”のことについて話をすることができる機会です。
したがって、ぜひ“その出会いを大切にしていただきたい”と思います。
仮にそこに就職しなかったとしても、いつか別の形で一緒に仕事をしたり、出会ったりすることがあります。
そのことを忘れないようにしてください。

就活をしていると、残念ながら“不採用”になることもあります。
なかには、何回も“不採用”という結果がでてしまうことがあるかもしれません。
万一、そうした場合にも“決してめげない!”でください。
どんな人でも、そういう状況になると、後ろ向きな気持ちになってしまいます。
でも、決してあきらめずに取り組んでいけば必ず道は開けます。

極端にいってしまえば、「縁がなかっただけ」と自分に言い聞かせるだけの開き直りも必要です。
時には、思いっきり運動や気晴らしをしてみましょう。
もちろん、そうした上でもう一度、しっかりと就活の準備をしていただきたいと思います。

ここまで、キャリアサポートをしてきた経験を踏まえ、就活への取り組み方を説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
就活の進め方のイメージはできたでしょうか?

繰り返しになりますが、就活は「答えのない課題への取り組み」といえます。
自ら考え、選択し、勇気を持って行動することが大切です。
そのことを忘れないようにしましょう。

みなさんには、ひとりひとりに大きな可能性があります。
自分で自分の可能性を制限せず、大きな人生の目標と職業人としての目標を実現できる可能性があることを認識していただきたいと思います。

就活を単なる職場探しの手段とせず、自分自身の人生をより豊かなものにするための最初のステップとして“粘り強く”頑張っていただければと思います。

〈2〉就活にのぞむにあたって...

さて、これまで就活を5つのステップに分解し、必要な準備の仕方や取り組み方について考えてきました。

この章で、全体的な流れとポイントを復習します。

Step1:自己分析をする

自己分析は、“あなたのこと”を知らない面接官に、“あなたを採用するための理由”を提供するための情報を整理する取り組みです。
どんな面接官でも意識的・無意識的に関わらず、自分が採用して良かったと思える理由を探しています。
そのため、自己分析を通じて、面接官が納得できる理由をつくるようにしていきましょう。

自己分析を通じてアウトプットをするものとして重要なのが、下記の2点です。

1)将来、自分が実現したい目標やビジョン、価値観など
→鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師としてどのようなことを達成したいのか?

2)自分がどんな人物であるかを明らかにするための自己PRの材料(情報)
→自分を振り返り、どのような意識でものごとに取り組み、成長し、そしてどんな成果があったのか?

まず、将来、自分がどのような人生を送り、その中で仕事をどのように位置づけ、社会にどのように貢献していくのかということを踏まえながら、自分が実現したい・達成したい目標を設定することが必要です。

そして2つ目として、これまでのさまざまな経験から自分の価値観や考え方、どのようなことを学び成長してきたのかを考えます。
この点は、面接や履歴書に記載する自己PRをつくる上で必要な取り組みになります。
また、過去を振り返ることで、自分の強み・長所や弱み・短所などについても整理する機会になります。

Step2:志望先を選定する

応募先の選定では、学校の求人情報やインターネットなどを通じ、幅広くアンテナを張り、求人票を得る必要があります。
自分の知らないところに素晴らしい取り組みをしている治療院や医療機関があるはずです。
また、実際に治療院や医療機関をできるだけ“見学”することが大切です。
ぜひ、自分の目でさまざまな治療院などを見学する機会をもち、自分の視野を広げてください。

Step3:志望動機をつくる

志望動機の作成については、自分の目標やビジョン、価値観と志望先のビジョン・方向性、価値観の擦り合わせをすることが重要です。

そもそも就活とは、自分が設定した目標の実現につながる就職先をみつけることが最大の目的になります。
仕事を通じて達成したい「何か」を、その職場でどの程度、得ることができるのかということについて考えていく必要があります。

そして、この擦り合わせをする際に重要となるのが、「自己分析」と「志望先の選定」で集めた情報となります。

就職先を選ぶ基準として給与や福利厚生などの条件も確かに重要です。
しかしながら、働く先で大きな目標や価値観を共有しながら働けるという点は、人が仕事をしていく上でとても大切な条件になります。
仕事を通じて実現したい目標や夢を共有することができれば、直面する障害にも協力して乗り越え、自分自身も成長する機会が増えていきます。

Step4:応募する

応募する際には、電話やメールでコンタクトする段階から“評価されている”という点を忘れないようにすることが大切です。
社会人としての基本的なマナーという部分は、医療人である治療家にも当然、求められる資質です。
ひとりの社会人としての責任ある行動を心がけるようにしましょう。
また、カバーレターの添付などについても、単なる就活のテクニックとしてではなく、社会人としての基本的なマナーとして身につけていただきたいと思います。
きっと、さまざまな場面で役に立ちます。

Step5:面接を受ける

面接については、一般的に以下の4つの点が主に評価されています。
①面接は一緒に働く仲間を探す行為であり、スタッフとして迎えいれたい人物かどうか?
②院のビジョンや方向性、価値観とみなさんの目標が一致しているか?
③治療家目指した理由、将来の目標、志望動機など面接での内容と応募書類の内容に一貫性があるか?(雰囲気や態度を含めてみられています)
④コミュニケーション能力があるか?

この点を踏まえて、
①なぜ、この道を選んだのか?そして将来、どのような治療家になりたいのかという将来の目標は何か?
②なぜ、その志望先で仕事がしたいのか?
③どのように職場に貢献できるのか・貢献したいのか?
という3点についてはしっかりと整理するようにしましょう。

さて、本サイトの冒頭でも、就活は“正解のない課題への取り組みである”という説明をしてきました。
これから就活を行うみなさんは、期待と不安が入り交じった複雑な気持ちになっていることでしょう。
きっと、自己分析や志望動機の作成にあたっては、悩むことばかりだと思います。

でも、就職や内定はゴールではなく、みなさんが自分の目標を実現するためのスタートでしかありません。
どんな状況に直面しても、その状況をプラスに考えるかマイナスに考えるかは自分次第です。
ものごとや状況は捉え方次第であることを忘れないようにしましょう。

必ず道は開かれます。

最後に、これから就活にのぞむみなさんへ、歴史上の偉人が残した言葉を送ります。


◉カルビン・クーリッジ氏
(第13代 アメリカ合衆国大統領)

この世に粘り強さに代わるものはない。
能力だめだ。素晴らしい能力を持ちながら、成功できなかった人間など山ほどいる。
天才でもだめだ。”不遇の天才”は、今や決まり文句と言ってよい。
教育でもだめだ。世界は教養ある落伍者であふれているではないか。
粘り強さと決意、それだけが全てに打ち勝つ


◉スティーブ・ジョブズ氏
(Apple創業者)

私は、成功した起業家とそうでない者をわけているものの半分は、純粋な粘り強さであると確信している



本サイトは、みなさんが自分の実現したい目標を達成できることを応援しています。
社会人になると思い通りにならないことや苦しい状況になることもあるかと思います。
しかし、そうしたことはみなさんの気持ちの持ちようによって、悪い面だけでなく、良い面もみせてくれるようになります。
決して、あきらめなければ、きっと自分が望む人生が手に入るはずです。
自分をあきらめず、高い目標をもって、成功への階段を一段づつ登ってください。
応援しています!

そしてこのサイトがみなさんの就活に少しばかりでも役に立てれば幸いです。